ソクラテスの対話法をご存じでしょうか。
産婆術とも言われています。
ソクラテスの対話法は
「反駁的対話」(エレンコス)と呼ばれています。
「最も賢いのはソクラテス」というデルフォイの神託に従って、対話をしていった哲学者というお話を皆さんはご存じかもしれません。
ソクラテスは、言論を吟味することで結局は多くの人を吟味するということととなり、最後は毒杯をあおぐことになりました。
ソクラテスは、ペロポネソス戦争に重装歩兵として従軍していたということです。そしてアテナイが敗れた時、殿を引き受けたという気概を持っていました。
それゆえ、自分の信念で自ら毒杯をあおいだのでしょう。
エレンコスの実際は、プラトンによる「ゴルギアス」をひもといてみてください。
さて、紀元前400年頃の対話が物語るものがいくつかあります。
私が面白いと思ったのは、以下の点です。
① 質問で対話を行っている点
② 対話を行うと本質が出てくるという点
③ 人間性・自分自身のあり方が出てくる点
④ 相手よりは自分を吟味している点
⑤ 問いつめすぎると詰問になる点
こんにちゴルギアスにあるような反駁的対話を行うと、毒杯をあおがないまでも嫌われ者になってしまうかもしれません。
しかし、質問による対話を行うことで本質が出て、自分を吟味し内省し、自分の人間性を省みることができるのは非常に意味があると思います。
会議の運営やチーム活動等様々なファシリテーションにおいても、タイミングの良い質問で参加者が何かに気がついて場が進むコトも多くあります。